豊田商事事件にみる人間の本質。

みなさんはご存じないかも知れませんが、昔、「豊田商事事件」というのがあり、社会を震撼させました。

豊田商事とは金への投資を専門にした会社で、「いまこの金に投資すると、市場では考えられないほどの利回りが約束されますよ」などと言って、高齢者などから数百万円単位の架空の投資額を引き出させるといった手口を使っていました。

その結果、高齢者や主婦、中高年の男性まで、全国数万人が被害にあいました。

被害総額は2000億円近くともいわれています。

おそらくこれほどの被害額を出した金に絡む詐欺事件は、いまだに類例はないのではないでしょうか。

金に投資をした客には、月々の利回り分を、ほかの客から集めたお金の中から支払う自転車操業状態をつづけていましたが、やがてすぐに回転資金は底を尽き、「私は詐欺にあったのではないか」と苦情が殺到。

社会問題化しました。

最初はやさしく勧誘され、孫を応援するような気持ちから数百万単位で投資を重ねていったという高齢者の実態も、事件の解明と同時に明らかになっていきました。

被害者が全国に広がると、当時の豊田商事の会長宅の玄関前にはマスコミが押しかけ、ニュース報道は加熱していきました。

やがて日本刀をもった右翼団体の男が会長宅の窓を蹴破って家宅内に侵入し、会長を刺し殺すというところまで発展しました。

報道カメラの砲列の真っ只中だったので、全国の人がテレビでその現場の一部始終を目撃していました。

金の買取とは手口が違いますが、人間の欲望や温情を操ったという意味では、金の買取もこの事件も本質的には同じではないかと思えます。

金の買取は目の前で現金化されるだけに、誘惑に駆られやすいとも言えます。

甘い言葉・やさしい語りかけには裏があると心得ましょう。

Comments are closed.